2018.08.03
生産者向け情報
2018年7月は全国的に猛暑となり、多くの地点で平均気温が平年を上回りました。気象庁によると、東日本、西日本とも8月から9月にかけても、引き続き気温の高い状態が続くと見込まれています。それにより、胴割米や白未熟粒(シラタ)の発生、イネ紋枯れ、斑点米カメムシ類の発生が懸念されます。
胴割防止対策として、栽培時には「かけ流しによる地温の低下を図り、かんがい水が確保できない場合は間断かんがい水を行う」等、十分な注意が必要です。さらに、収穫後の乾燥調製作業時は、以下の点に注意されますようお願いします。
高温により登熟期間が短縮され、刈り遅れると胴割米が発生しやすくなりますので、適期に刈り取りをしてください。
気温が高い場合、生籾をコンバイン袋等に入れたまま放置すると変質しやすくなりますので、収穫から4時間以内に乾燥機に張り込み、通風あるいは乾燥を行ってください。
猛暑により乾燥後の水分値が1%程度下がる傾向があるため、乾燥機の仕上水分設定を0.5~1.0%高く設定してください。収穫時の籾の状態を確認し、圃場胴割が発生している場合は、乾燥速度を下表に設定し、低い温度でゆっくり乾燥してください。
乾燥機型式 | 乾燥速度設定 |
SAXESシリーズ | ゆっくり |
SDR-SPシリーズ | ゆっくり |
SDR-MPシリーズ | ゆっくり |
SDR-CP/LPシリーズ | ゆっくり |
SDR-SEZシリーズ | ゆっくり |
SDR-ME/LEシリーズ | ゆっくり |
GDR-VZ/SZ/MZシリーズ | グルメ |
乾燥しすぎて14.0%以下の過乾燥になると、胴割米がさらに増加します。毎年初回の乾燥作業時、または品種が変わった場合は過乾燥を防止するため、希望の仕上水分よりも0.5~1.0%高く設定して乾燥を行ってください。乾燥終了後、排出する前に手持ちの水分計で籾水分を確認してください。その結果により、2回目以降の仕上水分を設定してください。
砕米の発生を防ぐため、籾摺時のロールすきまは通常より1~2目盛り程度広めに調整してください。
モータを始動し、ロールすきま初期設定が終わったら
「ひらく」ボタンを押し、ロールすきまを開きます。
モータを始動し、ロールすきま初期設定が終わったら
「開」ボタンを押し、ロールすきまを開きます。
ロールが接触するまでロール調整ハンドルを「閉」方向に回転させます。接触した後、「開」方向に1~1.5回転させます。 籾摺開始後、仕上玄米に砕米が発生していないか確認してください。
木片や石が混入していると、返り籾スロワの部品が破損しますので、大きな異物はできるだけ取り除いて籾摺を行ってください。 異物が多量に循環した状態で運転を続けると、スロワの羽根とスロワケースの間に異物が挟まり、スロワの羽根が変形し詰まりの原因となります。 また念のため、スロワの羽根の予備部品を用意するようにしてください。
←異物(木くず、石など)
農水省は「平成30年度病害虫発生予報第5号(水稲特集)」で、2018年は一部地域において斑点米カメムシ類等の病害虫の発生が多い傾向と発表しています。このような着色粒(斑点米)や乳白・シラタが多いときは、粒の大きさに左右されない「ピカ選」が選別に威力を発揮します。
※ 斑点米・・・カメムシが水稲籾を加害することにより、褐色の斑点が表れた米
原料中に青未熟・乳白・シラタが多い場合、感度を上げすぎるとエジェクタの異常噴射やエア圧低下を引き起こしやすくなります。そのような場合、以下の点に注意して作業を行ってください。
最初は感度を-10に設定し、選別状況を確認しながら徐々に感度を上げてください。(画面はピカ選スマート)
最初は感度を-10に設定し、選別状況を確認しながら徐々に感度を上げてください。(画面はピカ選スマート)
(※1) 乳白・シラタ感度をONにすると籾感度表示が消えますが、故障ではありません。
(※2) 乳白・シラタ感度は、運転中にOFFからON、またはONからOFFに切り替えることはできません。
噴射回数が高すぎるという警告表示が出たら、感度を下げる、投入量を下げるなどして、噴射回数が少なくなるよう調整してください。