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【2023年版】 天候に応じた上手な乾燥・調製作業をするためのポイント

2023.08.08

 生産者向け情報 

天候に応じた上手な乾燥・調製作業をするためのポイント

 気象庁の見通しによると、2023年の8月から10月にかけての気温は、北日本では平年並か高く、東日本・西日本では高くなると見込まれています。出穂期の高温は、胴割れや白未熟粒、白穂の発生の原因となります。また、イネ紋枯病、斑点米カメムシ類の発生も懸念される状況です。

収穫作業イメージ


 栽培管理作業時の胴割防止対策として、「かけ流しによる地温の低下を図り、かんがい水が確保できない場合は間断かんがい水を行う」等、十分な注意が必要です。さらに、収穫した籾の状態を見極め、収穫後の乾燥調製作業時には、以下の点に注意していただきますようお願いします。

乾燥作業時の注意点

 早刈りは未熟粒や水分ムラが多くなり、刈り遅れは圃場胴割れや開エイが多くなります。適期に刈り取りを行えるよう総合的に刈り取り適期を見極めてください。気温が高い場合、生籾をコンバイン袋に入れたまま放置すると変質しやすくなりますので、収穫から4時間以内に乾燥機に張り込み、通風あるいは乾燥を行ってください。
 また、乾燥後の水分値が1%程度下がる傾向があるため、乾燥機の水分設定を0.5~1.0%高めに設定してください。収穫時に籾の状態を確認し圃場胴割が発生している場合や、初期水分が20%程度と低くバラツキの多い場合は、乾燥速度を下表に設定し低い温度でゆっくり乾燥してください。

乾燥機型式 乾燥速度設定
SAXESシリーズ ゆっくり
SDR-SPシリーズ ゆっくり
SDR-MPシリーズ ゆっくり
SDR-CP/LPシリーズ ゆっくり
SDR-SEZシリーズ ゆっくり
SDR-ME/LEシリーズ ゆっくり
GDR-VZ/SZ/MZシリーズ グルメ
SDR-RSシリーズ ゆっくり
SDR-TM/TLシリーズ ゆっくり
SDR-TSシリーズ ゆっくり

乾燥機の乾燥速度設定例
(詳細は各製品の取扱説明書をご参照ください)

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水分ムラが多い場合、乾燥前に初期送風を行うと水分ムラを軽減できます。また、時間にゆとりがあれば「調質」モードもしくは「2段乾燥」モード(18%で5時間休止する調質運転)で乾燥すると、より良い結果が得られます。

乾燥機の調質・2段乾燥の設定方法の例
(詳細は各製品の取扱説明書をご参照ください)

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水分値14.0%以下の過乾燥になると、胴割がさらに増加します。毎年初回の乾燥作業時、または品種が変わった最初の乾燥作業時は、過乾燥を防止するため設定水分を希望の仕上水分よりも0.5~1.0%高めに設定してください。乾燥終了後は、排出する前に手持ちの水分計で籾水分を確認してください(手持ちの水分計での測定は3回以上行い、平均値を確認してください)。その結果により、2回目以降の仕上水分を設定してください。

【灯油の使用について】

使用する灯油は、ガソリンスタンド等で正規灯油(JIS 1号灯油)を購入し、使用してください。非正規の灯油は、燃焼トラブルを引き起こす可能性(ノズルが詰まったり、噴霧角度が変わったりする場合)があり、推奨しておりません。

また、タンク内に昨年使用した灯油が残っている場合は、灯油を入れる容器を用意し、ドレン抜きのコックを外して残りの灯油を抜き取ってください。毎年、乾燥機の使用終了後は燃料タンクを空にしてください。

※灯油の廃棄については廃油処理が可能な指定業者での処分が必要です。処分については灯油をご購入されたガソリンスタンドや販売店などにご相談ください。

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