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食の宝庫を支える上川ライスターミナル

2018.09.03

No.18-020 / 2018年9月3日

食の宝庫を支える上川ライスターミナル

― 小麦取扱量の増加に対応し品質向上を期す取組み ―

 豊かな自然と広大な農地を誇り、食の宝庫と呼ばれる北海道。その中央部に位置する富良野で、米麦の乾燥・調製・貯蔵業務を行う上川ライスターミナル株式会社富良野工場。2016年に乾燥機を増設し、小麦の取扱量増加の対応と品質向上を図った。富良野工場の意義や取組みについて取材した。

【富良野の魅力】
 富良野は、広々とした大地、美しくそびえる十勝岳連峰、ラベンダーをはじめとする色彩豊かな花畑など、魅力満載で多くの観光客の人気を博している。ドラマ「北の国から」の舞台となった場所としても有名である。別名「へその町」とも呼ばれ、大正時代に京都帝国大学の博士が、北海道の中心地点として地球の重力や経緯度などを測定したことから、記念の中心標が建てられている。

news180903-1.jpg中富良野町の風景

【農産物と米麦耕作の現況】
 富良野は農産物にも恵まれている。主要作物は玉ねぎ、小麦、米であり、その他に人参、馬鈴薯、アスパラガス、メロン、ビール大麦などが栽培されている。冬寒く、夏は比較的気温が高い。昼夜の寒暖差が大きく農作物の生育に適した環境である。米農家は約500戸、耕作面積2,500ha、麦農家は約800戸、4,500haである。生産量は米9,000トン、麦18,500トンと麦が主体である。米、麦農家共に高齢化が進み、後継者不足で離農者も見られ、近隣農家による農地管理が進んでいる。このため、耕作規模の拡大と大型化も進んでいる。

news180903-2.jpg上川ライスターミナル 富良野工場

【上川ライスターミナル】
 上川ライスターミナル株式会社(本社:北海道上川郡鷹栖町7線11号3番地、代表取締役社長:松原剛志)は、1996年にホクレンと旭川、富良野、名寄など上川管内の16JA(当時)が出資し設立された。主に米麦の乾燥・調製・貯蔵・出荷に関する事業を行い、3工場を管内中央部(鷹栖)、北部(名寄)、南部(富良野)に有している。
 今回訪れたのは富良野の「上川南部 米麦広域集出荷施設(カントリーエレベーター、以下「富良野工場」)である。1998年に、「富良野地区のブランドの確立」「低コスト稲作生産システムの確立」「良質米・良質麦の生産推進」を目的に建設された。サイロ保管能力4,000籾トン、2017年取扱実績は米が4,500籾トン、麦が7,145トンである。

news180903-3.jpg増設された大型乾燥機設備

【乾燥機の増設】
 2016年7月、乾燥機の最大張込量を従来の780トンから1,000トンに増大するため、新たに大型乾燥機が増設された。増設の背景には、多収性の秋播き小麦「きたほなみ」の収穫量が、生産者の栽培技術の向上により伸びてきたことが挙げられる。富良野工場の施設能力を上回る受入れを余儀なくされ、2~3時間の受入待ち時間が発生し、収穫作業の停滞や品質劣化の恐れが生じていた。そのため乾燥機の増設が急務となったが、富良野工場では小麦と米を扱うため、それぞれ専用の乾燥機が必要である。この状況下でサタケ(本社:広島県東広島市西条西本町2-30、代表:佐竹利子)が提案したのが、連続流下モードと自己循環モードを自由に切替可能な大型乾燥機(型式:WDR50A)であった。
 WDR50Aは、連続流下モードで小麦を、自己循環モードで米を乾燥できるため1台2役となり、設置スペースやコストの低減につながる。富良野工場とサタケの思いが合致し増設への道が開かれた。

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WDR50Aの構造図           2タイプの乾燥モード     

【富良野工場の現況】
 増設後の状況について、富良野工場業務第二部部長の田中敏博氏は「増設以前は、最大張込量780トンの乾燥を行う場合、翌日の荷受開始までに乾燥機を空けなければならず、本来の半乾水分の17%以下に乾燥できず19%以上でサイロへ排出しなければならないことがあった。品質劣化につながる恐れもあったが、増設後は当日のうちに半乾燥できるため品質への影響懸念がなくなった」と増設の意義を説く。富良野工場の荷受量増大は生産者(農家)へのメリットにもつながっており「他のJA施設で荷受待ちしている生産者を富良野工場に回すことができ、待ち時間の減少につながっている」。
 連続流下モードと自己循環モードの2つの乾燥方式を選択できる新機能について同氏は「小麦、米の両方を扱う当工場では、本来であれば別々に2種類の乾燥機が必要となるが、乾燥方式が選択できるWDR50Aであれば1台で済み、コスト的にも抑えることができる乾燥機だ」と新方式の乾燥機導入のメリットを語る。小麦の品質にも特に問題はなく順調に稼働しているようだ。

news180903-6.jpg田中敏博部長

【これからの取組み】
 田中部長は、上川ライスターミナルのこれからの取組みについて、「信頼性のある施設や機器メーカーの技術を十分に活用し、均質化された安定出荷によりユーザー、消費者からの評価向上を図りたい」とユーザーサイドに立った取組みの重要性を述べ、併せて「乾燥、調製、出荷作業の効率化により、地域の稲作、畑作の発展に貢献する企業として努力を続けたい」と意欲を示した。

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 富良野が北海道はもとより、日本の食の宝庫としてさらに発展することを願いながら取材を終えた。

以上

 ■上川ライスターミナルの概要

  • 1.会社名:上川ライスターミナル株式会社
  • 2.設立:1996年(平成10年)3月29日
  • 3.代表取締役社長:松原剛志 
  • 4.主な事業
  •   ・米麦の乾燥、調製、貯蔵、出荷に関する事業
  • 5.本社・工場
  •   ・本社:北海道上川郡鷹栖町7線11号3番地
  •   ・中央部地区(鷹栖工場):北海道上川郡鷹栖町7線11号3番地
  •   ・北部地区(名寄工場):北海道名寄市曙250番
  •   ・南部地区(富良野工場):北海走空知郡中富良野町基線北10号

(本リリースへのお問い合わせ: TEL 082-420-8501 広報室)
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