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熊本地震からの米作り 「有限会社 内田農場」

2017.04.11

No.17-011 / 2017年4月11日

熊本地震からの米作り 「有限会社 内田農場」

― 度重なる自然災害を乗り越えた1年と復興への思い ―

 九州の中央部にそびえる阿蘇の山々と周囲を取り囲む世界最大級のカルデラ。この雄大な自然を活かし、約60haの広大な農地で農業を営む有限会社内田農場。2014年に父親から経営を受け継いだ内田智也社長(32)は就任3年目の2016年4月に熊本地震を経験しました。地震から1年を迎えた今、内田農場の米を待つ顧客のために懸命に努力した昨年の米作りを取材しました。


「追求するのは"日本一使い手から求められる米"」

内田農場を取り囲む雄大な自然

 内田農場で生産する米のほとんどは契約栽培であり、酒米・もち米を含め現在15品種もの米を栽培しています。追求するのは単に"おいしい米"ではなく、"日本一使い手から求められる米"。たとえば、大手牛丼チェーン店からは牛丼に相性の良い"硬い米"が欲しい、大手コンビニからはおにぎりに使用する"冷めてもおいしい米"が欲しいなど、用途に応じた多種多様な要求があります。その一つひとつを大切にしたいと内田社長は話します。「全国においしい米はたくさんあります。ただ、使い手の細かな要求に応えられる農家は少ない。内田の作る米は

ICTを活用し水温や水位を管理

おいしさだけでなく、その要求を実現した"個性"を大切にしたいという思いから、企業とのコラボレーションも積極的に行ってきました。生産者である以上、"お客様のニーズに応える"という姿勢を大切にしていきたいと考えています」。また、従業員4名という限られた人員のなかでも、水田に直接種を撒く乾田直播方式やウェアラブル端末などを用いたICT(情報通信技術)による水田管理システムの導入など、効率的な米作りも追求しています。





「熊本地震からの米作り」

歩行田植機での作業の様子

 2016年4月14日と16日、熊本地方を震源とする最大震度7を記録した大地震が内田農場を襲いました。14日の前震による農場への被害はほとんどなく、内田社長は救援活動のため、所属する地域の消防団の活動に奔走していました。しかし、2日後の本震の被害は甚大でした。「田んぼには地割れや亀裂が入っていました。さらに用水路の被害により、経営面積60haのうち約3分の1に水が入ってこない状態でした。田植えが目前に迫っている中、行政の対応を待っていては間に合わない。内田の米を待つお客様にしっかりと商品を届けたいという強い信念を持ってできる限りのことをやりました」。内田社長は比較的亀裂の浅い田んぼは自力で修復し、少しずつではあるものの田植えを進めていきました。また亀裂が深く修復の難しい田んぼは歩行田植機を使い40haを植え切りました。「非常に苦しい決断ではありましたが、作付けの不足分については内田でしか生産していない品種を優先的に作付けし、代用できる品種については別の生産者を紹介するなどの対応を行いました」。  試練は地震だけではありませんでした。6月の九州地方集中豪雨では播種したばかりの大豆10haのうち半分以上が流され、さらに10月に起きた阿蘇山の噴火では収穫間近の稲に火山灰が降りかかるなどの被害も受けました。こうした数々の自然災害が続いたなかでも、なんとか例年の3分の2にあたる40ha分の収穫を実現しました。



「たくさんの方々に支えられた1年でした」

代表取締役社長 内田智也氏

 熊本地震から1年、内田社長は昨年の米作りをこう振り返りました。「もう一度同じことをやれと言われてもできないでしょう。それくらいこの1年間はとにかく必死でした。苦しい中でもやってこられたのはスタッフや地域の方々、そして内田農場の米を待ってくれていたお客様のおかげです。今回の経験は自分が経営者としてこれからどんな米作りをしていきたいのか自問自答するきっかけになりました。農業のことだけでなく、本当に周囲の方々に支えられて生きていることを痛感しました」。
 今後について、「復旧はお金と時間をかければ可能ですが、復興はそうはいかない。農業生産法人として農業を通じて熊本の復興に貢献できるよう、情熱とロマンを持ってこれからも必要とされる米を作り続けます」と復興にかける熱い思いを語りました。

以上




<担当セールスの声>

株式会社中九州クボタ 阿蘇営業所 :今村新二氏
 「内田農場様とのお取引は今年で5年目になります。昨年の度重なる自然災害のなかでも米作りが実現できたのは内田社長の農業へかける強い情熱があってのことだと思います。我々も熊本の農業の復旧・復興に貢献できるよう、全力で取り組んでまいります」






別紙

有限会社 内田農場の概要

会社名:  農業生産法人 有限会社 内田農場所在地:  〒869-2301 熊本県阿蘇市内牧20代表者:  代表取締役社長 内田智也(32)TEL&FAX: 0967-32-2262ウェブサイト: http://aso-uchidafarm.com主な農産物: うるち米... コシヒカリ、ヒノヒカリ、ひとめぼれ、にこまる、 森のくまさん、 ミルキークイーン、みつひかりなど 酒米 ...  五百万石、山田錦、亀の尾など もち米 ...  峰の雪もち、新大正糯など 大豆 ...  クロダマル、ふくゆたかなど商品情報:

阿蘇かたる米 うち田

阿蘇の標高の高さがもたらす日中の寒暖差と壮大な山々が育む天然水で育てたお米。


純米吟醸 うち田

酒造好適米「五百万石」を使用した自慢の純米吟醸酒。掛米と米麹だけで仕込むその味は「キレが良い」と大好評。











掲載商品は(有)内田農場HPより購入可能

(本リリースへのお問い合わせ: TEL 082-420-8501 広報室)
※ニュースリリースの内容は発表時のものであり、最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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