経営関連
2005.01.28
平成17年1月28日
サービス
財団法人 サタケ技術振興財団※1(理事長:佐竹利子、所在地:東広島市西条西本町2‐30)は、予ねてより沖縄県石垣市字桴海554番地に建設していた「佐竹利彦 椰子記念館」が完成し、1月27日に竣工式を執り行いました。
この記念館はヤシの研究家として世界的権威者であり、リュウキュウヤエヤマヤシの学名にも名を残す佐竹利彦※2(1910-1998年)の志を偲ぶと共に、石垣市民の皆様をはじめ多くの方々にヤシを紹介することで地域振興や植物学の発展に貢献することを目的に建設したものです。鉄筋コンクリート造2階建、延べ床面積189.48㎡(約60坪)。
2階展示室は8つのコーナーに別れており、まず佐竹利彦の胸像と人物紹介。続いてパネルによるヤシの世界分布地図と100種を超える種子の展示。そして学名に佐竹利彦の名が付けられたサタケンチャ(リュウキュウヤエヤマヤシ)の実物(切り出した3本の立ち木や根、苗木、椰子の木に登るヤシガニやイシガキニイニイゼミ等)がジオラマ風に展示されています。
続いてヤシの加工品や生活用具の展示コーナー。ブラジル・皇帝ヤシの写真による紹介。国内の類似施設の紹介。そして50インチのプラズマテレビを置いた映像コーナー。佐竹利彦のヤシ研究のきっかけや講演、記念館誕生の経緯等を紹介、また沖縄・石垣島の自然や、世界のヤシ等の映像を取り揃えています。
展示室の中央には、生前佐竹利彦が収集した椰子に関わる貴重品(19世紀にイタリアの画家が描いた繊細なヤシの辞典、ココナッツパール、ヤシの化石、ヤシの切手等)を5個のショーケースに入れて展示しています。
2階から屋上に上がると素晴らしい眺望が開け、前方南側には東シナ海と川平(カピラ)湾、後方には、リュウキュウヤエヤマヤシの自然林がパノラマのように広がっています。
一般来場者の入館は2月5日より受け付けます。開館時間は9時から17時まで。入館料は300円(小学生以下無料)、休館日は毎週火曜日。年間来場者数3万人を予測しています。
(※1) 財団法人 サタケ技術振興財団
株式会社 サタケ(代表:佐竹利子、所在地:東広島市西条西本町2‐30)が1984年3月6日、基本財産3,000万円をもとに、技術開発研究の推進と助成、研究者の人材養成、植物学研究の援助及び助成等を主な目的に設立したもので、現在 広島大学をはじめ各大学研究室の研究助成や留学生の奨学金助成等を行っています。
(※2) 佐竹利彦とヤシとの出会い
佐竹利彦はサタケの二代目経営者であるとともに、ヤシ科植物研究の世界的権威者です。利彦が23歳(1933年)の時、知人から貰った一本のビロウ(ヤシの一種)苗の姿態に惹かれたことから、ヤシ科植物の研究が始まりました。当時、日本の学界では、ヤシ科植物は事実上研究されておらず、参考になる文献も資料もほとんどないことに愕然としましたが、そのショックがヤシ科植物研究の強い刺激になりました。
利彦は52歳(1962年)の時、ヤシ科植物を11亜科29族253属3333種という新分類を発表し、世界に5人いると言われる世界的権威者の一人となりました。戦後間もなく、当時ヤシ科植物研究の最高権威者であった米国コーネル大学のムーア教授(Dr.H.E.Moore,Jr.1980年没)との親交が始まりました。
利彦は「リュウキュウヤエヤマヤシ(学名 Satakentia Liuiuensis(hatusima))」が石垣島と西表島にのみ自生する新種のヤシであることを発見し、ムーア教授がその学名に「佐竹」の名を取り命名されました。これらの研究成果は高く評価され、東京農業大学ならびに広島大学より名誉博士号が授与されました。
また、利彦が永年に亘り、世界各国から収集したヤシ・ソテツ78種230株及び約500種のヤシの種やサンプル、そして文献は世界的にも大変貴重な学術資料とされています。
椰子記念館の外観 |
竣工式でのテープカット |
(本件へのお問い合わせ: TEL 082-420-8501 広報室)
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