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「洗い米特許」の無効が確定!

2004.03.01

平成16年3月1日

特許

「洗い米特許」の無効が確定!

---最終決着!最高裁 トーヨーの上告受理申立を不受理---

 去る2月26日、最高裁判所は、株式会社東洋精米機製作所(以下「トーヨー」という)の「洗い米特許」2件※1の無効審判審決取消請求事件において、上告受理申立を不受理とする決定を下しました。これにより、本「洗い米特許」の無効が確定し、この特許は最初から無かったことになりました。

 本事件は、昨年9月、東京高等裁判所が本「洗い米特許」を無効とした特許庁の審決を支持したことに対し、トーヨーが不服として最高裁判所に上告受理申立をしていたものです。最高裁判所はトーヨーの申立を認めず、「本件(上告受理申立)は、民訴法318条1項※2により受理すべきものとは認められない」との決定を下しました。

 最高裁判所の決定により、米穀業界の多くを巻き込み、約7年もの長きにわたって繰り広げられた「無洗米(洗い米)特許係争」は終焉を迎えました。本「洗い米特許」の無効が確定しましたので、トーヨーは本「洗い米特許」に関する一切の権利を失いました。これに伴い、今後ジフライス、スーパージフライスにする係属中の事件(各裁判)において、トーヨーの請求は却下されることになります。

【 無効審判請求事件の経緯と所感 】                                          
1.経 緯
(1)平成12年9月19日、サタケが特許庁にトーヨーの「洗い米特許」2件の無効審判請求を起こし、トーヨーの特許が無効であるとの審決を求めた。
(2)平成14年3月22日、特許庁より「洗い米及びその包装方法」を無効とする審決が出された。
(3)平成14年3月25日、特許庁より「洗い米の製造方法」を無効とする審決が出された。
[審決の概要]
「洗い米特許」2件は、サタケの加湿精米機等の発明及び周知事実に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、無効とすべきものである。
(4)平成14年4月18日、トーヨーは特許庁の審決を不服とし、東京高等裁判所に審決取消請求を起こした。
(5)平成15年9月4日、東京高等裁判所は特許庁の審決を全面的に支持し、トーヨーの特許は無効であるとの判決を下した。
(6)平成15年9月16日、トーヨーは東京高等裁判所の判決を不服とし、最高裁判所に上告受理申立をした。
(7)平成16年2月26日、最高裁判所はトーヨーの上告受理申立を不受理とする決定を下した。

2.所 感
 今般、最高裁判所からトーヨーの上告受理申立を不受理とする決定が下されたことは、当然予想されていたこととはいえ、大変喜ばしいことであると考えています。この決定により、本「洗い米特許」の無効が確定したことには大きな価値があります。いわゆる「無洗米特許係争」は、無洗米装置メーカー同士の争いの領域を超え、米穀業界に混乱や不安を与えるだけでなく、小売・流通業界や消費者にまで影響を及ぼしていました。この問題の元凶というべき特許が無効になったことで無益な争いが終結し、今後、無洗米市場の発展と活性化に寄与するものと考えます。その意味で、今回の朗報はサタケに与えられたというよりも、米穀業界や無洗米市場全体に与えられたものであると確信しています。
 なお、トーヨーの特許として、「精製米」特許(特許第2897603号)が残っておりますが、既にお知らせしましたとおり、この特許にも特許庁で無効の審決が下されています。近いうちに、東京高等裁判所の判決が下され、最終的には「洗い米特許」と同様に全てサタケ側が勝訴するものと確信しておりますので、今後ともご理解・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 サタケは、洗い米特許係争が始まった平成9年から全力で対応して参りました。これまで、米穀業界をはじめ、多くの方々にご心配とご迷惑をお掛けしましたが、今後は業界の正常な発展と米の消費拡大に尽力する所存です。そのため、事業領域であるポストハーベストの分野において、「安全・安心・美味しい・健康」をキーワードに、さらに「広く・深く」研究と開発を進めます。また、姿の見える企業として情報開示を積極的に行うとともに、お客様のニーズの吸収と喜ばれる新商品づくり、食育などの啓蒙活動に努めますので、関係各位のなお一層のご理解とご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
以上

※1 特許第2615314号(洗い米及びその包装方法)と特許第2602090号(洗い米の製造方法)
※2 第318条1項 上告をすべき裁判所が最高裁判所である場合には、最高裁判所は、原判決に最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある事件その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件について、申立てにより、決定で、上告審として事件を受理することができる。

(本件へのお問い合わせ: TEL 082-420-8501 広報室)
※ニュースリリースの内容は発表時のものであり、最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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