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積極的な設備投資が支えるこだわりの米作り/佐賀県唐津市 株式会社BMファーム

2019.07.22

No.19-022 / 2019年07月22日

積極的な設備投資が支えるこだわりの米作り

― 佐賀県唐津市 株式会社BMファーム ―

 佐賀県の北西部に位置する県内第二の都市唐津市。玄界灘や虹の松原といった自然に恵まれた城下町として栄え、唐津焼や唐津くんちなど、歴史と文化の町として全国的にも有名な観光地である。この地で地域農業の担い手として水稲を中心に急速な規模拡大を続ける株式会社BMファーム。代表取締役を務める青山定浩氏(47歳)にインタビューを行った。

日本三大松原のひとつ「虹の松原」

代表取締役 青山定浩氏

 花の栽培を中心とした施設園芸を営む農家の5代目として生まれた青山氏。地元の商業高校を卒業後、久留米の農業試験場で花の栽培を2年間学び、20歳で青山家の跡継ぎとして就農。現在、4年前に法人化した株式会社BMファームの代表取締役を務める。社名は苗字の"青山"を英訳した"Blue Mountain(ブルーマウンテン)"から名付けた。稲作を始めるきっかけとなったのは今から10年前のことだ。地域の高齢化や担い手不足から離農者が増えていた当時、複数の近隣農家から農地を引き受けてほしいと話があった。悩んだ末に家族会議を行い、引き受けることを決めた。「地域の農業を守りたい、というより自分が守らなくてはならないという使命感がありました。周囲にそれだけの気力と体力のある人間がいなかったというのが決意した理由になったのかもしれません」と話す青山氏。それもそのはず、中山間地の多い唐津市内の農地は、小さな圃場、大きな法面、さらに変形した棚田が多いのが特徴で、そこを綺麗に管理し続けるには人もお金も時間もかかる。特にここ数年は5ha以上の営農規模を持つ大規模農家の離農も加速しており、10年前7haからスタートした営農面積は32haまで広がった(6月時点)。規模拡大に伴って圃場の枚数は約300枚にまで増え、1枚あたりの平均面積は約1反(10a)。従業員10名のBMファームにとって、これだけの枚数の圃場管理は並大抵のことではない。「栽培条件には全く恵まれていません。うちがやらなかったら誰もやっていないでしょう。ただ、この最悪とも言える環境のなかで、人と機械でどこまでやれるか挑戦したいと考えています。若い従業員も、この過酷な条件で米作りができれば将来実家の農地を継いだときに、きっと簡単に思えるはずですよ」。

BMファームが管理する圃場

SAXES シリーズ65 石タイプを4 台導入

BMファームの栽培品種は佐賀県の奨励品種"夢しずく"。「夢しずくは、ほどよい粘りと甘みがあり、食感の良い大粒が特長の品種です。さらにうちでは低温乾燥でゆっくりと乾燥させることで良食味を実現しています」とこだわりを語る青山氏。ふるさと納税サイトにも商品を出品しており、今年1月には同サイトのお米部門で売上げ全国1位を獲得した。さらに地元で飲食店を展開する外食企業とも契約するなど、販売は好調でリピーターも多い。一方で、急速な規模拡大に伴い、ここ数年は商品を保管するスペースも足りず、さらに作業スピードの問題から低温乾燥のこだわりを維持するには乾燥機の増台が必要となるなど、設備の増強が急務となっていた。そこで青山氏は、今から4年前にライスセンターの新設を決意。周囲からは過剰投資と言われることもあったが、地域の離農者が急速に増えているなか、将来のために先行投資をした形だ。そして今年3月、念願かなってライスセンターが竣工。従来の3倍以上となる延床面積670平米の大型ライスセンターで、内部には190平米の低温貯蔵庫も完備しており、100ha規模の生産体制が実現可能となった。

大粒・良食味が自慢の夢しずく

今年3 月に竣工したライスセンター

 今回のライスセンター新設に合わせて、サタケSAXESシリーズの乾燥機を4台導入した。数ある製品のなかから当製品を選んだ理由は"耐久性"だったと振り返る。「ライスセンター建設が決まったころ、SAXESシリーズが発表されました。担い手向けの高耐久シリーズということで、自らサタケの本社に問い合わせました」。食味を重視し、低温乾燥にこだわるBMファームでは、収穫シーズン中は連日休むことなく稼働させる必要があり、このこだわりを実現するための耐久性が導入の決め手となった。「5月に麦の乾燥受託で初めて稼働させました。約90tの麦の乾燥をトラブルなく1週間ほどで終えることができ、依頼主にも早いと喜んでもらえました。米の稼働はまだですが、毎日収穫していくので、それに耐えうる耐久性・処理の安定感に期待しています」。また、実際に使用して驚いたというのが、乾燥データの"見える化"。「油の使用量や温度の変化などのデータが管理でき、今後の改善につなげることが出来る。ICT面で恩恵を受けられるのは新しい機械を取り入れるメリットのひとつですね」。  

麦の出荷作業の様子

今後の展望について青山氏は「国内需要がさらに減っていくことは目に見えている。規模拡大と共に従業員も増やし、加工用米、輸出用米など色んなことに挑戦していきたいと思います」と語る。また、BMファームでは従業員教育にも力を入れており、積極的な設備投資や様々な挑戦もそのためだという。「まだまだ大変なことも多いですが、農業ってこんなに簡単にできるんだというのを示していきたい。若い従業員も最新の設備・機械での作業を楽しんでいます。また現在、商品の輸出に向けてグローバルギャップ認証(※)の取得に取り組んでいます。従業員にとっても新たな挑戦を経験することは財産になると思いますし、自分はチャレンジする環境を与えてやりたいと考えています」。誰も引き受けたがらなかった過酷な栽培条件のなかでも、積極的な投資を重ね、成長産業としての農業を体現しつつある青山氏。BMファームの秘めた可能性は、さながら豪州の世界遺産"ブルー・マウンテンズ"のように壮大に広がっている。

(※)G.A.P.(ギャップ) とは、GOOD(適正な)、AGRICULTURAL(農業の)、PRACTICES(実践)のこと。GLOBALG.A.P.(グローバルギャップ)認証とは、それを証明する国際基準の仕組みを言う。世界120か国以上に普及し、事実上の国際標準となっている。  



BMファーム 概要


■名称:株式会社BMファーム  
■所在地:佐賀県唐津市神田1666  
■代表取締役:青山定浩  
■従業員数:10名(パート従業員含む)  
■グループ企業:㈱青山
BMファームホームページ ⇒ http://bmfarm.jp

以上

(本リリースへのお問い合わせ: TEL 082-420-8501 広報部)
※ニュースリリースの内容は発表時のものであり、最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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