ニュースリリース・お知らせ

No.21-002 / 2021年1月20日

　サタケ（本社：広島県東広島市西条西本町2-30、代表：佐竹利子）は1月20日、近赤外線からX線域までの広域波長帯と人工知能（AI）を駆使した、新型ベルト式光選別機「ベルトゥーザ・スペクトラ」（型式：CSX600BW）を発売します。

　光選別機は、穀物やナッツ類などの原料の中から着色物・異物などの不良品を圧縮空気で除去する装置です。「ベルトゥーザ・スペクトラ」は、従来機の近赤外線域および可視光全域に加え、Ｘ（エックス）線域の情報を用いて、従来では難しかった不良品を選別します。

　近赤外線域では同色で成分の違う不良品を、可視光域では変色など微妙な色差の不良品を、さらにＸ線域では虫食いなど原料内部の不良品を検出します。形状選別機能も備えており、1台で外観、成分、内観まで多様な不良品の検出・選別を可能にしました。

　新機能として「MIX感度」と呼ぶ画像処理技術を搭載。近赤外線2波長と可視光3波長から得られる情報を、最適な組み合わせで検出できます。またX線ではAIを駆使し、通常のＸ線選別機では判別できなかった、部分的に厚みが薄い原料や虫食い原料などを見分けて的確に選別します。処理能力は毎時最大5トンです。販売先として、需要の高いアーモンドなどナッツ業界からスタートし、他の業界にも順次拡大します。

　開発に携わった産業システム部の平田瑞穂部長は、「1台で近赤外線からＸ線までの幅広い波長を組み合わせた光選別機は、ナッツ業界では初めてと認識しています。Ｘ線とAIを組み合わせることで、目視でも難しいピンホールと呼ばれる虫食い被害粒を高い精度で選別できるようになりました。他の業界でも大きな需要があると考えており、今後は幅広く拡販したいと考えています」と述べています。

　オープン価格、初年度の販売目標は15台。

以上

別紙

ベルト式光選別機BELTUZA SPECTRA(ベルトゥーザ・スペクトラ)について

１．機種構成と本体価格

本機は、近赤外線からX線までの幅広い波長の情報を用いて、1台で外観、成分、内観の不良品を選別します。最新の画像処理技術と人工知能（AI）を駆使した高精度な選別と、高い安全性が特長です。
処理量は原料や不良品の混入率により異なりますが、アーモンドの場合は1時間あたり最大5トンです。
販売価格は、オープン価格。

２．新技術・新機能

＜MIX感度＞

従来機に搭載されていたサタケ独自の画像処理技術サタケ・スマート・センシティビティをアップグレードした、新たな画像処理方法です。可視光（RGB）から得る原料の画像情報に加え、近赤2波長の情報を最適な組み合わせで分析し、不良品をより高精度に検出します。

＜Ｘ線とAIの組み合わせ＞

Ｘ線で原料内部を検出するだけでなく、人工知能（AI）を組み合わせることにより不良品の種類まで判別します。
Ｘ線では原料の密度の違いを検出しますが、そのままでは厚みの薄い良品と虫食いなどの不良品の区別がつきません。ベルトゥーザ・スペクトラではAIを駆使し、半分に割れた原料や部分的に薄くなっている原料、虫食い穴のある原料を見分けることができ、高精度で選別できます。例えばアーモンドが原料の場合、半割れやダブル（部分的に変形している双子のアーモンド）と虫食いを見分けることができ、ダブルは良品とし虫食いは不良品とするなどの設定ができます。

＜安全性＞

作業者および消費者の安全を最優先に考え、様々な安全対策を施しています。
①　本機のＸ線漏洩量は1μSv/h 以下に設計。放射線に関する特別な教育、資格、標識の掲示、健康診断がなくても安心して使用できます。例えば同一作業者が1日10時間、1か月で延べ22日作業した場合、1.3mSv/3か月間を下回るため、設置場所（※1）での管理区域指定や作業主任者の選任が不要です。
（※1）本装置の設置や移設の30 日前までに、その計画を管轄の労働基準監督署長へ届出する必要があります。
②　食品(被検査品)へのX線照射量は最大0.0001Gy。CODEX及び日本の基準値を大幅に下回っています。
③　X 線発生器およびX 線検査部は安全カバーで覆われ、シールド材によるX 線の
漏洩保護がされています。
④　非常停止ボタンのほか、9 箇所にカバーセンサを設置しています。運転中に作動するとアラームが発生し、X 線発生器およびコンベアモータの電源を即時遮断。同時に運転が停止します。
⑤　その他、特定の作業員のみがＸ線稼働を管理できるキースイッチ、Ｘ線作動を視覚的に判別できるパイロットランプを備えています。
⑥年間保守契約により、半年ごとにサタケのサービスマンがメンテナンスを行い、本機のＸ線漏洩量の測定などを実施します。

3．仕様

（本リリースへのお問い合わせ：　TEL　082-420-8501　広報部）
※ニュースリリースの内容は発表時のものであり、最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。