2018.05.22
当社は、創業以来120余年にわたり、コメの乾燥から籾摺り、選別、加工、炊飯に至るまで、数々の製品を世に送り出し、食生活や食文化の向上に努めてきました。
ところで、この加工の中心は「精米(加工)」です。「精米」と聞けば消費者でも、コメを白くしたり、綺麗にしたりすることを想像すると思います。スーパーで購入する米袋にも「精米年月日」が記載されており、何となくでも「精米」のイメージが湧くのではないでしょうか。
一方、米穀業界はどうでしょう。「精米」という言葉はもちろん使われますが、もう一つ「搗精」も用います。筆者も昔、技術部員として精米機開発に携わっていた頃に「搗精比率」「搗精歩留まり」「搗精管理表」などの言葉を多用しました。「搗精」という言葉の字面や響きからは、やや古臭さ感じます。その点では「精米」の方がしっくりしますし、消費者にも受け入れやすいと思います。
では米穀業界でも「精米」を使うべきか? これは意見が分かれるところでしょう。「精米」に統一した方が分かりやすいのは確かです。ただし、ここで問題となるのは「精米」には「玄米を白くすること(工程)」と「精白された白米(モノ)」の2つの意味があるということです。一方、「搗精」は「玄米を白くすること(工程)」だけの意味に使われます。ということは、精米工場などでの工程管理には「搗精」を使った方が、間違いが起きにくいと言えます。
ちなみに、パソコンで「とうせい」と打ち込んだところ、統制 党勢 騰勢 当世 東成 陶製 東征...、そしてやっと「搗精」にたどり着きました。同じく「こめをつく」と打ち込むと、コメを突く コメを衝く コメを付く コメを就く コメを着く コメを憑く コメを点く コメを吐く コメを尽く、そして「コメを搗く」に至りました。いやはや、現代ではどちらも死語に近いのでしょうか?
いっそのこと、過搗精防止を「つくつくぼうし(搗く搗く防止)」にしましょうかね?(笑)。