2024.03.05
サタケは、川上(生産者側)から川下(消費者側)までのすべての製品やシステムを提供しています。例えば、穀物乾燥機や籾摺機は川上であり、マジックライスは川下となります。その川下と聞いてすぐに思いつくのは「ご飯」です。まさか生米を食べるわけにはいかないので、炊飯して柔らかく消化の良いご飯にするわけです。当然、サタケも炊飯機を作っており、その代表機種が加圧式IH炊飯機「SILK(シルク)」です。
このSILK。ブランド名は今年リリースしましたが、デビューはおよそ12年前に遡ります。128年の精米機開発の歴史からすれば新参者ですが、デビューからはそれなりに時間が経っており、「歌はうまいのに、なかなか売れない歌手だねぇ~」という苦節演歌歌手のようです。
「モノが良ければ売れる」というわけでもないし、加えてデビュー当時はいろいろとトラブルや問題があったのも事実です。その辺はモータ事業と似ています。世界唯一の画期的モータを開発したのに売れない時代が長く続きました。しかし、艱難辛苦の末に一筋の光明を見つけ、やがて新幹線にも搭載されるようになりました。SILKも、なかなか芽が出ないところから営業や技術部門が努力し、少しずつ知名度が高まり、導入事例も増えてきました。
業務用炊飯機はガス方式が多い中、SILKは唯一の加圧式IHであり、これまで、なかなか買ってもらえない、話を聞いてもらえないという苦労を知っている身としては、少しずつでも真価が認められ嬉しい限りです。
SILKというブランド名は絹の上質さもイメージして命名しましたが、今にして思うと、これまでの苦労を知っていたことが無意識のうちに影響したのかも。
なぜなら、「SILK」は「知る苦」だから...。(またもや駄洒落でご勘弁を)