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よくある質問

米・炊飯米品種鑑定(DNA品種鑑定)について 米の性質分析について 微生物分析について 異物分析について 重金属分析について 残留農薬一斉・カビ毒分析について 栄養成分・アミノ酸分析について

■米・炊飯米品種鑑定(DNA品種鑑定)について


Q1:どのような分析方法で実施していますか?

A1:DNA品種鑑定の方法は、【定性分析】と【定量分析】の2種類があります。どちらの方法も、基本的には米を粉砕し、専用試薬によってDNA抽出したのち、抽出したDNAから品種に特異的な部分を人工的に増幅します。増幅したDNA溶液を判定器にかけ、自社独自のデータベースと照合して品種を判別します。


Q2:定性分析とはどういう分析方法ですか?

A2:分析検体が想定品種であるかどうか、他の鑑定対象品種が混入していないかどうかを判定する方法です。判定方法としては、LAMP法とPCR法の2種類を採用しています。粉砕した検体から抽出したDNAについて、品種特有のDNA配列を増幅させ、データベースと照合します。一致すれば想定品種であると判定し、一致しない場合は、データベースとの比較により、他品種混入または想定品種ではないと判定します。


Q3:鑑定対象品種の中に※マークの品種(「お問い合わせ品種」)がありますが、どのような品種なのでしょうか。

A3:※マークの品種(「お問い合わせ品種」)を定性分析における想定品種とした場合、定性分析対象品種(赤色の212品種の)混入を判別することができます。しかし、逆に定性分析対象品種のいずれかを想定品種とすると、お問い合わせ品種の混入を判別できない場合があります。詳細は別途お問い合わせください。


Q4:定性分析の判定精度はどのくらいですか?

A4:5%程度を基準にして判定を行っています。しかしながら、検体の状態や品種の組み合わせによっては、5%未満の混入でも他品種購混入と判定する場合があります。


Q5:定性分析で他品種混入と判定された場合、混入した品種や混入割合は分かりますか?

A5:定性分析では、混入している品種や混入割合は分かりません。混入品種や混入割合を調べるためには、定量分析(Q6)が必要となりますので、別途お申し付けください。


Q6:定量分析とはどういう分析方法ですか?

A6:定量分析とは、分析検体から複数粒の米を採取し、それを1粒ずつDNAを抽出し、PCR法にて品種を特定します。定性分析とは違い、1粒ごとの品種を特定するので、品種の構成と混入比率を割り出せる方法です。サタケでは通常、無作為に20粒採取し分析をおこなっております。例えば20粒中16粒が「コシヒカリ」、4粒が「ひとめぼれ」であった場合、混入比率は80%が「コシヒカリ」、20%が「ひとめぼれ」であると判定されます。


Q7:20粒以外の定量分析は可能ですか?

A7:ご希望に応じた粒数で対応いたします。 お問い合わせください。


Q8:圃場に形質の異なる株があったが、葉や稲穂でDNA鑑定ができますか?

A8:葉や稲穂でDNA鑑定をすることが可能です。しかし、枯れて変色した葉や成熟していない稲穂の場合は、分析が困難な場合があります。葉をお送りいただく際は、株から複数枚採取後できるだけ早く冷凍の状態で検体送付をお願いいたします。


Q9:分析可能な検体の種類は何ですか?チャーハン等加工をしていても大丈夫ですか?

A9:分析可能な検体の種類は、葉、籾、玄米、精白米、無洗米、炊飯米です。チャーハンなどの加工食品でも分析可能です。しかしながら、レトルト商品など検体の製造方法によっては分析できないものもあります。
判定が困難な炊飯米・コメ加工品としては、以下のものが確認されています。
・レトルト製品全般
・酵素処理によりたんぱく質などを低減処理してあるもの
・腐敗した炊飯米(カビ等の微生物による分解)
・米菓子製品
・米を原料とした酒類


Q10:産地・年産は判定できますか?また,遺伝子組み替え食品(以下,GMO)の検査はできないのですか?

A10:産地・年産判定およびGMOの検査はできません。
産地・年産については, DNA情報からでは判定できません。
厳密な年産判定はできませんが、古米化(酸化)および食味の一要因となる新鮮度を点数化する装置「シンセンサ」を弊社より販売しております。
受託分析も承っておりますので、米の性質分析の項目をご覧ください。


Q11:鑑定対象品種以外でも、分析は可能ですか?

A11:鑑定対象品種以外についても随時データベース化に取り組んでおります。分析を希望する品種がありましたらお問い合わせください。


Q12:判定結果は公的な証明になりますか?また、サタケはその結果に対して保証するのですか?

A12:公的な証明にはなりません。 米のDNA品種鑑定において,公的に認証する機関は今のところ存在していません。また,判定結果に対して生じた問題等については,弊社では一切の責任を負いかねますのでご了承ください。


Q13:コメドックで実施されるDNA品種鑑定は「定性分析」、「定量分析」のどちらになりますか。

A13:コメドックのDNA品種鑑定は「定性分析」です。


Q14:送った検体は返却可能ですか。

A14:検体は原則として返却はせず、当社規定に従って処分します。返却をご希望の場合は、事前にお申し出ください。着払いにて、ご返却いたします。


Q15:突然変異や交雑種であった場合、識別は可能ですか。

A15:基本的に突然変異や交雑種と断定することはできません。弊社のデータベースと合致するかどうか比較し一致するものがなければ、定性分析であれば「想定品種ではない」と判定され、定量分析では「データベースにない品種」と判定されます。


Q16:定性分析で混米判定となった場合、どのような可能性が考えられますか。

A16:品種切替時に機器(コンバイン、乾燥機、籾摺り機、精米機や昇降機など)へ残留していた可能性があります。機器清掃方法を再度確認してください。また、種や苗などの取り違え、乾燥機や精米機への張り込み間違いなどの可能性もあります。履歴等の確認もしてください。


Q17:定量分析で、データベースに無い品種となった場合、どのような品種が考えられますか。

A17:鑑定対象品種リスト以外の品種となります。


Q18:DNA品種鑑定で公定法はありますか?

A18:米のDNA鑑定において、公的に認証する機関は今のところありません。 しかしながら、農産物検査に関する基本要領別紙5「国内産農産物の検査実施マニュアル」の手順7において、農産物検査以後におけるDNA鑑定を用いたモニタリングや検証のための基準でも触れられているほか、農林水産省の品種登録ホームページにて、(独)食品総合研究所からPCR法の手順が公開されています。
サタケのDNA品種鑑定装置(PCR法)は、この(独)食品総合研究所から技術指導を受けて開発したものであり、基本技術は認知法と同等です。また、定量分析(PCR法)については、ISO/IEC17025試験所認定を取得し、その妥当性を証明しています。ISO/IEC17025とは、分析機関の能力に関する国際規格で、第三者機関による審査により、公正かつ信頼性の高い試験を実施する能力があることを認めるものです。試験所への認定であり、装置への認定ではありませんが、お客様へは定性分析で想定品種ではない可能性や他品種混入の可能性が生じた場合は、ISO/IEC17025にて妥当と評価された手法である定量分析を行っていただくよう説明しています。



■米の性質分析について


Q1:分析に必要なお米はどれくらいですか?

A1:1検体あたり500gです。

Q2:お米のおいしさを落とさずに保管するにはどのようにすればよいですか?

A2:お米に含まれる脂肪が酸化するとおいしさが失われます。酸化を抑えるためには冷蔵保管(5~10℃)をお勧めします。玄米に比べ精米の方が劣化が速いため、搗精後は美味しいうちに早くお召し上がりください。保冷庫がない場合は、風通しのよい冷暗所に保管すようにしてください。

Q3:炊飯米がべちゃつく(煮崩れ)原因は何ですか?

A3:炊飯米がべちゃつくとは、浸漬時や炊飯時にお米の中のデンプン成分が溶出し、煮崩れを起こしてしまうことを言います。原因としては、刈り取り前の圃場での過乾燥、籾の乾燥時の過乾燥、精米時の加工方法や搬送方法、保管方法等が原因で、お米に砕粒や表面亀裂が発生することが考えられます。

Q4:炊飯米が着色(褐色や黄色になる)する原因は?

A4:炊飯米が褐色になる原因としては、土壌中のエクアドル茶米菌によるものとメイラード反応によるものがあります。エクアドル茶米菌は土壌中に存在するもので、洗米後の米が高温多湿の状態に置かれると、炊飯時にぽつんぽつんと渇変した米が発生します。また電子ジャーなどで保温している時に、米飯が塊り状に黄変する現象はメイラード反応と呼ばれ、米飯中のアミノ酸と糖が反応してできた物質(メラノイジン)の色です。

Q5:無洗米の品質管理項目にはどのようなものがありますか?

A5:無洗米はお米の表面の糠を取り去った、洗わなくても良いお米です。そのため、浸漬したときの濁度が問題になり、品質評価の一つになっています。無洗米の濁度基準は40ppm以下(米穀公正取引推進協議会方式)となっています。

Q6:米の新鮮度分析について、同じお米で玄米と白米を測定したとき、新鮮度に差が生じると聞いたのですが、それはなぜ起こるのですか?

A6:脂質の酸化が糖層と胚乳では同時に起こるのではなく、糖層から先に起こるため、白米は玄米と比較して劣化に時間的ズレを生じます。そのため玄米モード、白米モードそれぞれのモードで値を検出しています。

■微生物分析について


Q1:微生物って何?

A1: 微生物とは、肉眼で構造が判別できないほど微小な生物を指す言葉です。厳密な定義があるわけでなく、細菌、真菌(カビ)、酵母、原生動物、粘菌、藻類、ウイルスなどが含まれます。下水をきれいにする活性汚泥や納豆をつくっている納豆菌、お酒やパンの醗酵に欠かせない酵母、餅に生える青カビなど微生物は、人々の生活に深くかかわっています。

Q2:サタケではどんな微生物試験を行っていますか?

A2:穀物分析センターでは、食品中の衛生指標菌や食中毒にかかわる菌の数、種類を調べる微生物の検出をはじめ、食品製造工程の衛生検査(ふき取り・落下菌数の測定など)を行っています。食品中の微生物試験は、食品の品質及び安全性を確保する目的で広範囲かつ定期的に行われるようになり、現代では衛生管理の指標として特に重要な位置を占めています。原料・製品の安全性の確認、製品の保存試験、工場の衛生管理、従業員の手指検査など詳細は弊社にご相談ください。

Q3:微生物が引き起こす食中毒の種類にはどんなものがありますか?

A3:代表的なものに細菌性食中毒、ウイルス性食中毒があります。細菌性食中毒の原因菌は、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、セレウス菌、サルモネラ属菌、病原性大腸菌、ウエルシュ菌などです。

Q4:お米に付着している微生物にはどんなものがありますか?

A4:酵母など自然界に分布する多くの微生物がお米に付着しています。籾→玄米→精米への加工段階で表面に付着した菌の数は減っていきますが、問題となるのは土にかかわりのある穀物などから検出される食中毒の原因菌の1つであるセレウス菌です。増殖する最適温度は28~35℃ですが、食品中で芽胞を作って生きているため熱に対して耐性があり、調理過程ではなかなか死滅しません。セレウス菌による食中毒は症状に応じて嘔吐型と下痢型の2種類があり、日本の場合95%が嘔吐型です。健康な人で1g当たり107~108CFU以上、お年寄りや子どもの場合は1g当たり105CFU以上で発症します。
※CFUとは、コロニー(微生物の集落)の単位でColony Forming Unitの略です。

Q5:微生物でお米が汚染されるとどうなりますか?

A5:お米や米飯の変色、異臭の原因になります。一般的な精米に、微生物は1g当たり104~105CFU程度付着しています。温度、酸素、水分等の条件が揃うことにより微生物が増殖するため、お米の保存は風通しが良く、涼しくて暗い場所が適切です。
※炊飯時に熱がかかることで、ほとんどの微生物は死滅しますのでご安心を!!

■異物分析について


Q1:どのようなものを分析できますか?

A1:プラスチック、植物等の有機物、金属、ガラス、石等の無機物、種子、昆虫等や異臭米、変質米(微生物)等が分析可能です。

Q2:どのような分析機器で分析していますか?

A2:有機物は赤外顕微システム(赤外顕微鏡、フーリエ変換赤外分光光度計)、金属および無機物は元素分析(走査電子顕微鏡、エネルギー分散型X線分析装置)、異臭はパネラーによる官能試験、ガスクロマトグラフ質量分析計による機器分析、変質米は微生物培養法および走査電子顕微鏡で分析しています。

Q3:何日で分析してもらえますか?

A3:検体到着後、翌日から7営業日(異物分析)、10営業日(異臭米分析)以内で結果をご報告いたします。ただし、分析内容等で分析日数を通常よりも必要とする場合もございます。

Q4:分析できる異物の大きさはどの程度ですか?

A4:異物の大きさが、1mm×1mm以上あれば分析可能です。

Q5:ガラスの種類までわかりますか?

A5:元素分析の結果から、一般的なガラス、鉛クリスタルガラス、カリクリスタルガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス等の種類を同定することができます。

Q6:お米の異臭の特定はできますか?

A6:最初に官能試験による臭いの種類を絞り込んだあと、ガスクロマトグラフ質量分析計で、異臭米と問題の無い米のスペクトルの差から異臭米の原因と思われる成分を推定することができます。

Q7:異臭米分析の官能試験はどのようにするのか?

A7:パネラーによる官能試験は、3点識別法および3点嗜好法を用いて、異臭米のにおいの種類と異臭米であるか否かを判定します。
 ・3点識別法とは、
  異臭米Aと対照米Bを、A・B・Bのように3個1組を盲試料として提示し、一つだけ異なる異臭米Aを識別する方法です。
 例) パネラー18人中では、10人以上の識別で有意性が認められます。
 ・3点嗜好法とは、
  3点識別法で選び出した試料について、良いか悪いかを判定させる方法です。
 例)パネラー18人中では、7人以上の識別で有意性が認められます。


Q8:異臭米分析に必要な検体量は?

A8:異臭米と対照米(お客様が官能で問題がないとする米)をご用意ください。対照米は可能であれば同一品種をご用意ください。異臭米に対して、対照米は2倍の量が必要となります。
 ・1検体のご依頼の場合
  異臭米・・・1kg、対照米・・・2kg
  異臭米の量が少ない場合は、異臭米・・・500g程度、対照米・・・1000g程度でも分析可能です。
  異臭米の量が非常に少ない場合は、穀物分析センターまでご相談ください。
 ・2検体のご依頼の場合
  異臭米①・・・1kg、異臭米②・・・1kg、対照米・・・4kg


Q9:異臭米(ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)にて検出された成分を含む)を食した場合、人体に及ぼす影響は?

A9:実際に異臭成分の量を測定(定量分析)していないことから、検出された成分が人体へ及ぼす影響についてわかりかねるため、お答えすることができません。また、弊社では、異臭成分の量の測定(定量分析)をおこなうことはできません。弊社の異臭米分析では、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)を用いて、異臭米と対照米との差から異臭成分を推定しています。

Q10:米に発生する微生物の種類を特定できますか?

A10:微生物の有無や菌数の多い少ないなどの確認はできますが、種類の同定までは行っておりません。

■重金属分析について


食品に含まれるカドミウムについて

Q1:カドミウムとはどのような物質ですか?どのような害があるのですか?

A1:カドミウムは、鉱物中や土壌中などに天然に存在する重金属で、鉛・銅・亜鉛などの金属とともに存在することから、日本においては1千年以上前から鉱山開発などにより、地中から掘り出されてきました。 自然環境中のカドミウムが農畜水産物に蓄積し、それらを食品として摂取することで、カドミウムの一部が体内に吸収され、主に腎臓に蓄積します。カドミウム濃度の高い食品を長年にわたり摂取すると、近位尿細管の再吸収機能障害により腎機能障害を引き起こす可能性があります。また、鉄欠乏の状態では、カドミウム吸収が増加する報告があります。 なお、カドミウム中毒の実例としてイタイイタイ病がありますが、これは、高濃度のカドミウムの長期にわたる摂取に加えて、様々な要因(妊娠、授乳、老化、栄養不足等)が誘因となって生じたものと考えられています。今回検討が行われているような低濃度のカドミウムの摂取とは状況が全く異なっており、低濃度の摂取でイタイイタイ病が発症することは考えられません。
(厚生労働省医薬食品局食品安全部平成22年7月改訂の「食品に含まれるカドミウム」に関する Q&Aより引用)

Q2:お米にはどの程度のカドミウムが含まれているのですか?

A2:お米(玄米)のカドミウム含有量について、全国のさまざまな地域(約3万7千点)を調査した結果から、日本産のお米1kg中に含まれるカドミウム量は平均して0.06mg(=0.06ppm)です。(1997~1998年旧食糧庁の全国実態調査結果より)
お米のカドミウム濃度が0.4ppmを超える場合、それは鉱山からの排出などによって人為的に水田がカドミウムに汚染されていることが原因と考えられていますが上記調査結果からは、そのようなお米の割合は全体の0.3%となっています。

※昭和43年度公害調査研究委託費により実施されたカドミウムに関する調査研究の成果に基づいて判断されたものです。

玄米中のカドミウム含有量の全国実態調査結果


(厚生労働省医薬食品局食品安全部平成22年7月改訂の「食品に含まれるカドミウム」に関する Q&Aより引用)

国内の規制について

Q3:我が国での規制はどのようなものがありますか?

A3:国内では、食品衛生法において「玄米で1.0ppm未満」と定め、カドミウム濃度1.0ppm以上の玄米の流通、販売を禁止してきました。
平成22年4月に規格基準改正を行い、同規格基準を「玄米及び精米で0.4ppm以下」に改正され、平成23年2月末日に施行されています。
(農林水産省HP「食品中のカドミウムに関する情報(2)食品中のカドミウムに関する国内基準値」より)

カドミウム濃度の測定方法について

Q4:公定法はありますか?

A4:食品添加物等の規格基準(昭和34年12月28日厚生省告示第370号)で公定法が定められています。試料を硝硫酸法で分解した後、DDTC-MIBK法でカドミウムを抽出し、フレーム原子吸光法で測定を行うものです。測定原理としては、試料中のカドミウムを炎(フレーム)で原子化し、その原子蒸気層の吸光度を測定して目的物質の濃度を求める方法です。

Q5:サタケの分析方法はどのようなものですか?

A5:試料を硝酸-過酸化水素法で分解した後、ICP質量分析法で測定を行うものです。測定原理としては、試料液を霧状にし、プラズマ炎で加熱されます。これにより生じた原子イオンが質量分析部に入り、イオンの重さごとに分離され、その数が計測されます。
公定法とは部分的に異なりますが、認証標準物質を用いた妥当性確認試験を実施した結果、公定法と同等の測定値が得られることを確認しています。

サタケの分析サービスについて

Q6:分析対象品目は何になりますか?

A6:米(玄米、精米、加工米及び加工米飯)です。

Q7:米以外の作物及び食品はできますか?

A7:相談に応じます。しかし米のカドミウム分析以外の分析ではISO認定外になり、認定マークは付けられません。

Q8:定量下限はいくつですか?

A8:カドミウムの場合、ICP質量分析法で0.04ppm、蛍光X線分析法で0.10 ppmになります(定量下限:確実に含有量が測定可能な最少量)。

Q9:「報告書」を「証明書」に変更できますか?

A9:当社では、「分析結果報告書」として結果のご報告を行っており、標題の「証明書」への変更はお断りしております。これは、お客様に分析結果の取り扱いについて正しくご理解いただけるように、という考えからです。本来、「報告書」と「証明書」には違いはないのですが、計量法における「計量証明」のように、行政機関への登録制度のある分析で証明書という言葉が使用されることが多いため、証明書は公的で、報告書は私的、というイメージを持つ方が多いようです。また、「証明書」には、公に効力があり、分析結果だけでなく分析対象物全体の保証がある、という誤解を持たれる方もおられます。こういった理由から、当社では、「証明書」ではなく「分析結果報告書」という表現を用いております。

Q10:カドミウム以外の元素についても測定できますか?

A10:カドミウムを含め、13の元素が測定できます。
【測定元素】(1)カドミウム、(2)鉛、(3)カリウム、(4)リン、(5)マグネシウム、(6)鉄、(7)マンガン、(8)亜鉛、(9)カルシウム、(10)銅、(11)アルミニウム、(12)ヒ素、(13)ナトリウム

■残留農薬一斉・カビ毒分析について


制度全般

Q1:ポジティブリスト制度とはどのような制度ですか?

A1:食品中に残留する農薬等に関するポジティブリスト制度というのは、一定量以上の農薬等が残留する食品の販売等を禁止する制度です。
(厚生労働省医薬食品局食品安全部「ポジティブリスト制度について Q&A」より引用)

Q2:ポジティブリスト制度の対象となる食品は何ですか?

A2:本制度は、生鮮食品、加工食品を含め全ての食品が対象となります。
(厚生労働省医薬食品局食品安全部「ポジティブリスト制度について Q&A」より引用)

Q3:基準が設けられた物質すべての検査が必要ですか?

A3:残留農薬等のポジティブリスト制度は、食品に残留する農薬等の分析を生産者や食品事業者等に義務付けるものではありません。
従来からの残留農薬等に対する取組みと同様、信頼できる事業者と取引をする、使用される可能性のある農薬等の種類や方法、残留基準違反事例の有無などを確認する、必要に応じ残留状況について分析する、などの取組みが原材料の安全性の確保のために必要になると思われます。従って、必要な検査体制については個々の事業者により自ずと異なると思われます。
(厚生労働省医薬食品局食品安全部「ポジティブリスト制度について Q&A」より引用)

受託分析

Q4:サタケの分析方法・分析項目の違いについて教えてください

A4:[237成分分析]
QuEChERS法(注1)を一部導入した方法により試料を前処理し、ガスクロマトグラフタンデム質量分析計により237成分(注2)を高精度に分析します。複数の農薬成分を一斉に分析することができるため、迅速な対応が可能です。検体到着後、翌7営業日以内にご報告できます。対象237成分中95成分については(公財)日本適合性認定協会(JAB)より、ISO/IEC17025に基づく認定登録を受けています。

(注1)Quick (迅速)、Easy (簡単)、Cheap (安価)、Effective (効率的)、Rugged (頑健)、Safe (安全) をコンセプトとした大量の試料を効率よく処理するために開発された前処理法であり、欧州や米国の公定法に採用されています。
(注2)237 成分の内訳は殺虫剤98成分、除草剤77成分、殺菌剤52成分、植物成長調整剤5成分、殺鼠剤1成分、薬害軽減剤3成分、ダニ駆除剤1成分です。成分名については「237成分リスト」をご参照ください。

237成分リスト

また、2022年1月31日まで受託しておりました「237成分分析」との対象成分の変更内容については「237成分分析の変更点」をご参照ください。

237成分分析の変更点

[簡易分析]
ガスクロマトグラフタンデム質量分析計により対象100成分について「基準値を超えている可能性があるか」を検査することができます。237成分分析に比べて短納期(検体到着後、翌5営業日以内)でのご報告が可能です。農薬成分の正確な残留濃度より検体が安全かどうかを確認する目的で検査を考えている方にお勧めします。「基準値を超えている可能性がある」と判定された場合は該当成分の残留濃度が高精度にわかる二次分析(定量分析)のご案内をさせていただきます。

(注3)100成分の内訳は殺虫剤42成分、除草剤32成分、殺菌剤25成分、植物成長調整剤1成分です。成分名については「100成分リスト」をご参照ください。

100成分リスト

また、2024年2月29日まで受託しておりました「68成分簡易分析」との対象成分の変更内容については「簡易分析の変更点」をご参照ください。

簡易分析の変更点

[カビ毒分析]
アフラトキシン群:
穀類、落花生、ナッツ類、とうもろこし、乾燥果実などに寄生するコウジカビの一部が産生するかび毒であるアフラトキシンを分析します。分析対象は4種のアフラトキシン(B1,B2,G1,G2)および総アフラトキシン(B1,B2,G1,G2の合計)です。日本では総アフラトキシンの基準は0.01 ppm(0.01mg/kg)以下と食品衛生法により定められています。(2024年3月現在)

デオキシニバレノール(DON):
麦類の品質低下や収穫量減少の原因となることが知られている赤かび病の病原菌により産生されるDONを分析します。日本では小麦の残留基準が食品衛生法により1.0 ppm(1.0 mg/kg)以下と食品衛生法により定められています。(2024年3月現在)

オクラトキシン(OTA):
穀類、豆類、乾燥果実などに寄生するコウジカビやアオカビの一部が産生するオクラトキシンAを分析します。日本では、食品の基準は設定されていません。(2023年8月現在)


Q5:添加回収試験はするのですか?

A5:添加回収試験(注4)は237成分分析ではご依頼の検体の分析と並行して実施していますが、簡易分析では実施していません。237成分分析については、添加回収試験において回収率が70~120%であることを確認しています。

(注4)添加回収試験:検体に目的農薬の純品を一定量加え、添加した量が正確に定量されるかどうか測定する方法

Q6:前処理や測定中に農薬の分解はありませんか?

A6:一部の農薬は、前処理や分析装置での測定中に酸化や熱等により分解します。ただし、237成分については、「食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドライン」(注6)に基づいた添加回収試験を実施し、真度(回収率)および精度が目標値を達成しておりますので、前処理や測定中に分解が進行しにくい農薬といえます。

(注5)厚生労働省通知の食安発第1115001号:公定法以外の方法によって食品中に残留する農薬等の試験を実施する場合に、各試験機関がその試験法の妥当性を評価するための手順を示すもの

Q7:分析リスト以外の農薬も測定できますか?

A7:別途、個別分析対応の検討をさせていただきます。

Q8:検査対象は何ですか?

A8:玄米、精米(白米)、無洗米などの穀物です。野菜などの食品については当分析センターまでご相談ください。

Q9:検体はどのように送付したら良いですか?

A9:輸送中での残留農薬の分解を防ぐため、クール便でお送りください。

Q10:定量下限(注6)はいくつですか?

A10:237成分分析の2成分以外は0.01 ppm(0.01 mg/kg)です。2成分についてはテルブホスは0.005 ppm(0.005 mg/kg)、フェリムゾンは0.1 ppm(0.1 mg/kg)です。
(注6)定量下限:確実に含有量が測定可能な最少量


その他

Q11:米で高頻度に使用されている農薬はどのようなものですか?

A11:殺虫剤ではエトフェンプロックス、殺菌剤ではフサライド、除草剤ではブロモブチド等があります。これらの農薬は全て受託分析可能です。市販の農薬の場合、成分表に農薬成分(有効成分)が記載されております。

■栄養成分・アミノ酸分析について


Q1:栄養成分の項目は何ですか?

A1:水分、灰分、たんぱく質、脂質、炭水化物です。一般的に食物繊維も栄養成分に挙げられるのですが、弊社では炭水化物に含めております。

Q2:なぜお米のたんぱく質を測るのですか?

A2:一般的にお米に含まれるたんぱく質の値が低いほど、美味しいお米とされています。美味しいお米かどうかの目安の一つとして、たんぱく質を測定します。
また、最近では腎臓病などの方のために、低たんぱく米が開発されています。こういった研究開発にも大いに役立っています。

Q3:たんぱく値の求め方を教えてください

A3:食品に含まれているたんぱく値を算出するためには、まず分析機器で窒素値を求めます。窒素値にたんぱく係数(FAOにより提唱されたもの)を掛けたものが、たんぱく質の値となります。
※たんぱく係数は食品によりそれぞれ異なります。(例:米5.95、小麦5.83)

Q4:たんぱく値の分析方法を教えてください

A4:弊社では燃焼法(改良デュマ法)で分析しています。
食品中の窒素測定方法として広く使われているケルダール法(公定法)は、分析時に濃硫酸や濃アルカリを使用し、銅含有の強アルカリが廃液として出ることや、分析時間に最低3時間かかるなど短所があります。その代替法として、AOACインターナショナルの小麦や肉類の公定法となっている、より安全で環境に優しい分析方法である燃焼法(改良デュマ法)を弊社では採用しています。

Q5:検体の量はどのくらい必要ですか?

A5:栄養成分分析、アミノ酸分析とも、最低100g必要です。

Q6:アミノ酸分析の測定可能成分は何ですか?

A6:アスパラギン酸、スレオニン、セリン、グルタミン酸、グリシン、アラニン、バリン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、ギャバ(γ-アミノ酪酸)、ヒスチジン、リジン、アルギニンの16成分です。